大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和31(オ)535 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告人代理人村沢義二郎の上告理由前段について。

原判決が引用する第一審判決中「この様な原告が窃盗容疑で告訴された場合、原

告の名誉の毀損されるに至ることは公知のことがらである」と判示した部分におけ

る「公知のことがらである」という用語は妥当を欠くが右は「明白である」、正確

にいえば「経験則上明白である」との意味であると判文上明らかであり、また、告

訴人の過失により罪を犯したものと誤認されて告訴を受けた者は、たとえ捜査官憲

や弁護士等が被疑者の名誉を害しないよう注意すべき義務を有するとしても、特別

の事情のない限り、これによつて名誉を毀損されるに至るべきは当然であるから、

原判示は相当である。そして、仮に、右告訴されたことが世人に知れるに至つたの

は郵便集配人の口から漏れたのに始まるとの所論の事実(原判決はこれを認定して

いない)があつたとしても、これがため告訴によつて名誉が毀損されることには変

りがなく、告訴人の民事責任は否定されるべきでないこと多言を要しない。

同後段について。

所論は証拠の欠缺をいうが、伝聞証拠であつても民訴法上証拠能力を欠くもので

はなく、所論の各証拠によつて本件伐採木の価格を認定することは何ら違法ではな

い。所論は畢竟証拠の取捨、事実認定の非難に帰し採用できない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 垂 水 克 己

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裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 石 坂 修 一

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